自家発電を行うには?自家発電設備の種類や企業が導入するメリット
企業のBCP(事業継続計画)対策としても注目されている「自家発電設備」をご存知でしょうか?
「そもそも、自家発電ってなに?」
「企業が導入できる自家発電設備には何があるの? メリットは?」
自家発電設備について上記のような疑問をお持ちの方に向けて、この記事では
- 自家発電設備の概要
- 常用自家発電設備の種類
- 企業が自家発電設備を導入するメリット
- 自家発電設備としてオススメな「自家消費型太陽光発電」
- 自家発電設備として「自家消費型太陽光発電」を導入する際の注意点
などについて、分かりやすくご紹介していきます。
自家発電設備とは?
「自家発電」とは、電気の消費者が発電設備を用いて自ら発電を行うことを指し、「自家発電設備」は、その設備を指します。自家発電設備によって発電した電気は、自家消費に充てる(売電せずに自身で消費する)のが一般的です。
自家発電設備は、設置目的や用途によって「常用自家発電設備」と「非常用自家発電設備」に区別されます。
常用自家発電設備とは
常用自家発電設備とは、電力会社からの電力供給の有無に関わらず、常に稼働状態にある自家発電設備です。種類については後ほど詳しくご紹介しますが、太陽光発電やガス発電(燃料電池システム)などが存在します。
非常用自家発電設備とは
非常用自家発電設備とは、停電などによって電力会社からの電力供給が途絶えた際に、予備電源として稼働させる自家発電設備のことです。非常時に、防災設備や保安設備に電気を供給する目的で設置されます。
常用自家発電設備の種類
ここでは、電力会社からの電力供給状況に関わらず常に稼働し続ける「常用自家発電設備」の種類について、詳しく見ていきましょう。
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太陽光発電
太陽光発電は、屋根などに設置したソーラーパネルを通じて、太陽光エネルギーを電力に変換することができる常用自家発電設備です。自家消費を目的とした太陽光発電は「自家消費型太陽光発電」と呼ばれ、家庭や企業に広く普及しています。
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ガス発電(燃料電池システム)
ガス発電(燃料電池システム)とは、エネファームに代表される自家発電設備で、都市ガスやLPガスから抽出した水素と、空気にふくまれる酸素を化学反応させて発電をおこないます。
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風力発電装置
風力発電装置は、太陽光発電と同じ再生可能エネルギーの一種で、風力を活用して発電をおこなう常用自家発電設備です。風力発電と聞くと巨大なプロペラを想像するかもしれませんが、家庭用に小型の風力発電装置も販売されているほか、「マイクロ風車」といった微風で発電が行える風力発電装置も開発されており、常用自家発電設備としての活用シーンが広がっています。
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ガスタービン発電装置
ガスタービン発電装置とは、燃料であるガスを燃焼させてタービンを回転させ、発電を行う常用自家発電設備です。ガスタービン発電装置は、コージェネレーションシステムとして、工場やホテル、病院などで採用されています。
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蒸気タービン発電装置
蒸気タービン発電装置は、蒸気のもつ熱エネルギーを利用してタービンを回転させ発電を行います。蒸気タービンの仕組みは、火力発電や原子力発電など幅広い用途に採用されています。
企業が自家発電設備を導入するメリット
ここからは、企業が自家発電設備を導入するメリットについてお伝えしていきます。
災害時のBCP(事業継続計画)対策として有効
BCP(事業継続計画)とは、地震や台風・大雨などの自然災害をはじめとした緊急事態が発生した際に、事業への損害を最小限にとどめ、事業を継続・早期復旧するために、企業があらかじめ決めておくべき計画を指します。
常用自家発電設備は、平時はもちろん停電時でも発電することができるため、BCP対策として有効です。
ピークカットに貢献できる
自家発電設備を導入することにより、ピークカットに貢献することが可能となります。ピークカットとは、1日のうち最も電気を使用する時間帯(ピーク時間帯)に自家発電設備で発電した電気を使うことで、電力会社からの電力購入量をカット(削減)することを指します。
ピークカットを行うことで、電気量料金の削減はもちろん基本料金の削減にもつながる場合があり、企業の固定費削減に役立ちます。
自家発電設備は「自家消費型太陽光発電」がオススメ
自家発電設備には「自家消費型太陽光発電」がオススメです。ここでは、その理由について解説します。
環境経営に貢献できる
昨今は、企業にも環境への配慮が求められるようになってきています。自家消費型太陽光発電は、火力発電と比べてCO2(二酸化炭素)を排出しない再生可能エネルギーであるため、導入することで企業の環境経営にも役立てることができます。
具体的には、SDGsやSBTイニシアチブ(企業版2℃目標)、エコアクション21、温対法対策など、自家消費型太陽光発電の導入によって対応できるものは多岐にわたります。
導入価格が年々下がっている
太陽光発電といえば、「導入コストが高い」という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、実は太陽光発電の導入コストは年々下がっています。2012年には42.1万円/kWだった太陽光発電のシステム費用が、2019年には26.6万円/kWまで下がっているデータが、経済産業省によってまとめられています。
導入コストは今後さらに下がっていくと考えられますので、よりお得に「常用自家発電設備」として自家消費型太陽光発電を導入することができるでしょう。
自家発電設備として「自家消費型太陽光発電」を導入する際の注意点
ここからは、自家発電設備として「自家消費型太陽光発電」を導入する際の注意点を解説していきます。
電気事業法などの法律を遵守する必要がある
自家発電設備として「自家消費型太陽光発電」を導入する場合、電気事業法が定める「電気工作物」として扱われるため、電気事業法で定められた保守点検(メンテナンス)を行う義務が生じます。
また、自家消費型太陽光発電以外の自家発電設備を導入する場合は、設備によって「消防法」、「火災予防条例」、「建築基準法」、「大気汚染防止法」といった法律を遵守する必要があります。
非常時(夜間・悪天候)に備えるなら蓄電池も導入する必要がある
自家消費型太陽光発電は、「常用自家発電設備」として停電時でも自力で発電を行えます。しかし、「太陽がでている時間帯のみ」という制約があるので、例えば夜間や悪天候時は発電を行うことができません。したがって、非常時に備えるために導入を検討する場合、蓄電池もあわせて導入する必要があります。
蓄電池を導入することで、太陽光発電によって発電できない悪天候時や夜間でも、蓄電池にためておいた電気を使うことができるようになり、非常時の電源としての効果が高まります。
自家発電設備まとめ
自家発電設備とは、自家発電を行うための発電能力を備えた設備のことを指し、電力会社からの電力供給状況に関係なく発電を行う「常用自家発電設備」と、電力供給がストップした時のみ稼働させる「非常用自家発電設備」の2種類があります。
「常用自家発電設備」には、自家消費型太陽光発電やガス発電(燃料電池システム)、風力発電装置などいくつかの種類が存在しますが、企業が導入するのであれば「自家消費型太陽光発電」がオススメです。
自家消費型太陽光発電は、非常用電源としてBCP対策になることに加えて、ピークカットに貢献し、電気料金の削減につながるといったメリットがあります。
さらに、火力発電と比べてCO2を排出しないことから環境経営への貢献も期待でき、導入コストも年々下がってきています。
近年、災害が増えてきている日本において、事業を継続するためのBCP対策として「自家発電設備」の導入は必要性を増してきています。この機会に「自家発電設備」の導入をご検討されてみてはいかがでしょうか。
※記載内容は掲載当時のものであり、変更されている場合がございます。